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教育実習で、専門科目は大丈夫でも、道徳に戸惑う方は多いと思います。
そこで、去年行った教育実習で実施した道徳の授業についてまとめてみました。
これから行く方や、教職免許を取ろうと考えている方の参考になればと考えています。
!!注意!!
これは教育実習生が使用した実習案であり、教師が制作したものではありません。
道徳の授業はクラスの状態によって、進め方を変えていく必要があります。
参考の際は、担当教員とよく相談して、クラスの状態に合わせた物に変更してください。
使用資料
『カーテンの向こう』 立石喜男
話の内容を知らない方は、ネット検索でタイトルを調べてください。
有名なブラックジョークであり、ネット掲示板のコピペでよく使われている話です。
検索をしてもらうと分かるのですが、この資料は小学生高学年から中学3年生まで幅広く使われています。
他に、私は教科書を貰って1週間以内にすべて読んでしまうのがいつものことだったので、
多分、そう言う生徒は居るだろうし、見たことがない話の方がつまらなくていいかなと考えてみたり。。
資料はプリントとして配布していますが前編と後編で分けており、それぞれ渡す時間が違います。
前編は最初から15段落の『ヤコブはすでに息が絶えていた。』まで、
後編は16段落の『みんなが悲しんだ。』から最後までとなっています。
感想プリント1と感想プリント2
資料と同じように、感想プリントも1と2に分かれており、渡す時間も違います。
これらは授業後に回収し、一言コメントを書いた後、返しました。
板書計画
授業をする前に板書計画を立てました。
小さい文字は書くタイミングです。
四角く囲んである文字は事前に印刷し、裏にマグネットを貼っておきました。
丸で囲んである登場人物は事前にA4サイズのイラストを制作し、文字と同じくマグネットを貼ってあります。
『私』 『ヤコブ』 『ニコル』
この『私』は、担当教員と話し合った際に中学生が共感を得られる様に若くても良いのではと提案され、
それもそうだなと若く描いてみました。
若い人が長期入院していてもそんなに珍しく無いでしょうし。
そして指導案。
大学では3列形式だったのだが、実習先は2列でした。
ややこしい。
以下に授業の流れを書いておきます。
(授業開始後、資料前編と感想プリント1を配布する。)
私 :もし、入院したり、病気で長い間ベッドの上で寝ていなくてはならなくなった時、
どんな気持ちになるでしょうか。
(手を挙げて発言させる)
意見:つまらない、退屈、誰か来てくれないかな・・・等
(黒板に『カーテンの向こう』と書く。)
私 :今日は、『カーテンの向こう』という話を読んで、話の主人公である『私』の気持ちについて、
みんなで考えたいと思います。
(資料前編を読む。)
では、あらすじをおさらいしてみましょう。
(黒板に人物相関図を書きながら)
『ヤコブ』はいつも、窓の向こうに見える外の話を病室の患者に話していました。
ある日、『ニコル』が『今日一日でも良いからベットを変えてくれないかね。』と頼みました。
しかし、『ヤコブ』はその頼みを無視しました。
その次の日、『ヤコブ』は死んでしまいました。
その時の『私』は『ヤコブ』に対して、どのような気持ちを持ったでしょうか。
プリントの質問1を考えてみましょう。
(黒板へ『○ヤコブへの気持ち』を貼る。
プリント1の質問1を考えさせる。
机をまわりながら指導する。
有る程度書けたようなら発言へ移る。)
私 :では、『私』は『ヤコブ』に対してどのような気持ちを持ったのでしょうか。
分かる人は手を挙げてください。
意見:1日でもいいから譲ればいいのに。 けちな奴だ。 サイアク。 ひどい・・・等
(出た意見を黒板に書く。)
私 :主人公である『私』は、『ヤコブ』は酷い奴と思っているのですね。
その『ヤコブ』はその年の冬に死んでしまいます。
この時の『私』の気持ちはどのような物だったと思いますか。
プリントの質問2を考えてみましょう。
(黒板へ『○ヤコブが死んだときの『私』の気持ち』を貼る。
プリント1の質問2を考えさせる。
机をまわりながら指導する。
ある程度書けたようなら発言へ移る。)
私 :では、この時の『私』の気持ちはどのような物だったでしょうか。
分かる人は手を挙げてください。
意見:やった!!自分が外を見られる。 嬉しい。 酷いことを思わなければ良かった。
『ヤコブ』の代わりに自分が外の様子を伝えよう。 罰が当たったんだ。・・・等
(出た意見を黒板へ書く。)
私 :主人公である『私』は、これで自分が外を見られると考えているのですね。
では、話の続きを配ります。
(資料後編とプリント2を配る。
後編を見た生徒たちが、次々に、「これは酷いw」「まさかの展開ww」と言い出す。)
私:それでは、話の続きを読んでいきます。
(資料後編を読む。)
私 :カーテンの向こうには窓はなく、冷たい壁があっただけなんですね。
『ヤコブ』は他の患者に嘘をついていたんです。
(黒板へ『カーテンの向こう』→『冷たい壁』を貼る。)
では、窓際のベットへ移ってカーテンの向こうが壁であることを見た主人公の『私』は、
どのような気持ちになったでしょうか。
プリントの質問3を考えてみましょう。
(黒板へ『○カーテンの向こうを見た『私』の気持ち』を貼る。
プリント2の質問3を考えさせる。
机をまわりながら指導する。
ある程度書けたようなら発言へ移る。)
では、この時の『私』の気持ちが分かる人は手を挙げてください。
意見:嘘つき!! 『ヤコブ』は凄い奴だなぁ。 みんなを勇気づける為だったのだろうか。
『ヤコブ』が死んだことを喜んだ自分は酷い奴だ。・・・等
(出た意見を黒板へ書く。)
私 :では、もしあなたが『私』なら、『ヤコブ』が他の患者達にしてきたような行動ができるでしょうか。
できる・できないのどちらかに丸をつけて、その理由を考えてください。
(黒板へ『○もし、あなたが『私』なら~』を貼る。
プリント2の質問4を考えさせる。
机をまわりながら指導する。
ある程度書けたようなら発言へ移る。)
それでは、『できる』と思う人、手を挙げてください。
意見:みんなを勇気づけたいと思うから。 明るくしたい。
みんなをガッカリさせたくない。・・・等
(出た意見を黒板へ書く。)
では、『できない』と思う人。手を挙げてください。
意見:みんなに真実を言う。 すぐばれてしまいそうだから。・・・等
(出た意見を黒板へ書く。)
私 :私ならおそらくできると思います、他の患者が喜んでくれるのを見ると自分も嬉しくなるからです。
それでは、今日の感想を書いてください。
(プリント2へ感想を書かせる。
ある程度書けたようなら、プリントを回収して授業を終える。
プリントは一言コメントを書いた後に返す。)
回収したプリントを見てみると、『感動しました。』とか『心に残りました。』とかあって、
結構好評だったので良かったです。
・・・中学生ならネットジョークとか知っている人がいそうでしたが、
どうもいなかったようでほっとしました。
まぁ、彼らが私に合わせてくれた可能性もあるのですけどねw
絵(というかイラスト)を描けるというのは凄く受けるようで、
人物イラストにびっくりしたとか言ってくる生徒もいました。
下書き適当に描いて、良さそうなペンが無かったので筆ペンで線画を描いて、
パッと塗っただけなのだが・・・。
というか、絵だけじゃなくて内容も覚えておいてねw
とりあえず終わってほっとしたのを覚えています。
一応、使用した板書計画、指導案、感想プリント2枚を.zip形式にまとめておきます。
高解像度のイラスト3枚別々になっています。
本文は、各自で検索してプリントを制作してください。
文章のファイル形式はWordの.docとなっています。
Wordを推奨しますが、一太郎やフリーで互換可能なソフトでも開けると思います。
中に入っているイラストの解像度は300にしてあるので、印刷しても大丈夫だと思います。
!!注意事項!!
このファイルを使用して起きた障害、損失などについて、私蒼竜は一切の責任を負いません。
教育実習では予想外の事が起こる可能性があります。
柔軟に対応してください。
道徳『カーテンの向こう』文章セット.zip
『私』 『ヤコブ』 『ニコル』
では、良い実習を!!
健闘を祈る!!
追記
ネット検索でここへ来られている方が結構いらっしゃるようです。
よろしければ、感想や質問などを書いていってください。